『プロフェッショナルの条件』を読みました

 

 ドラッカー著の『プロフェッショナルの条件』を読みました。特に印象に残った点に絞って書いてみます。

 

■寿命が延びた今、セカンドキャリアは必須。自分磨きを自発的に続けることは避けられない。特に自分の強みに着目し、強化することが効率的。

 

■強みを認識するにはフィードバックをもらい、自分の中で期待と結果を分析し続ける中で把握できる。自分が期待した以上に結果が大きく表れていることや、他者からみられた自分の強みは異なることがあるため。

 

■自分磨き、プロフェッショナルとしての時運づくりのためには、トレーニングが必要。そのためには時間の捻出・効果的な活用が必要だが、現状として無駄に消費されている時間がある。まずは現実を認識し、無駄をなくしたり捻出された時間を効率的・効果的に活用することを意識することが大事。

 

ドラッカー氏の人生を変えた7つの経験

1.目標とビジョンをもって行動するーヴェルディの教訓

 ヴェルディ作『フィルスタッフ』というオペラに圧倒されたドラッカー氏。ヴェルディ氏は18歳の時点で名を挙げたいたが、80歳になってもなお「いつも失敗してきた。」だから、もう一度挑戦する必要があった」と言い、80歳にして本作を作った。いつまでも諦めずに目標とビジョンを持ち時運の道を歩き続ける。失敗し続けるに違いなくとも完全を求めていくこと。

 

2.神々が見ているーフェイディアスの教訓

 彫刻家のフェイディアスは、誰も見ていなくても神々が見ている(誰かが必ず見ている)と想い、完全な作品をつくってきた。過去のものが最高ではなく、これから作るものを更に良いものにする。

 

3.一つのことに集中するー記者時代の決心

 

4.定期的に検証と反省を行うー編集長の教訓

 記者時代、編集長に一週間の仕事ぶりについて一人一人と差し向かいで話し合った。加えて半年ごとに半年間の仕事ぶりについて話し合った。優れた仕事、一生懸命やった仕事、一生懸命やらなかった仕事、お粗末な仕事や失敗した仕事などを話した。この経験を活かし、ドラッカー氏は、毎年夏に二週間の休暇を取り、一年間を反省するようにしている。

 

5.新しい仕事が要求するものを考える

 ドラッカー氏は、前職で優秀だった通りに転職後も活動したが、転職先でのミッションは異なっており、職場で求められているミッションと違う働きをしていた。新しい任務が要求するものについて、徹底的に考え抜くこと。

 

6.書きとめておくーイエズス会カルヴァン派の教訓

 何か重要な決定をする際に、その期待する結果を書きとめておき、一定期間後、実際の結果とその期待を比べた。そのおかげで、①自分は何を行えるか②強み③何を学ばなくてはならないか④どのような癖を直さなくてはならないか⑤どのような能力が欠けているか、何ができないか、を知ることができる。これらを知ることが継続学習の要である。

 

7.何によって知られたいかーシュンペーターの教訓

 シュンペーター氏は、若いころ「ヨーロッパ一の美人を愛人にし、ヨーロッパ一の馬術家として、世界一の経済学者として知られたい」と言っていた。しかし、晩年(亡くなる5日前)、「昔とは考えが変わった。今は一人でも多く優秀な学生を一流な経済学者に育てた教師として知られたいと思っている」「本や理論で名を残すだけでは満足できない歳になった。人を変えることができなかったら、何も変えたことにはならないから」と言った。

 

 人は、何によって人に知られた以下を自問しなくてはならない。その問いに対する答えは、歳をとるにつれて変えていかなくてはならない。本当に知られるに値することは、人を素晴らしい人に変えることである。

 

 

 これらは全て、ドラッカー氏自らの経験や、自身の取材の情報などからまとめ上げられたものです。同氏が学ばれたエッセンスが書かれていると思います。完全には程遠いですが、希望的に、本書のような良書に出会えたことに感謝しながら、一つずつ実践し続けたいと思います。まずは期待効果を記述して、実践して、そのあとで定期的に見直す、という繰り返しながら、学習と成長を続けたいと思います。

 

そう考えてみると、少し先の将来が、少し楽しみになってきます。