事業承継シンポジウムに参加しました

東京都中小企業診断士協会 能力開発推進部主催、事業承継シンポジウムに参加しました。今回は全面的なオンライン開催でした。

 

印象に残ったのは下記の通りです。

 

1.早稲田大学 研究員教授 米田様

「ファミリービジネスの企業価値と事業承継 」

・従来型の単独株主経営に限界がきている

・自己資金による資金調達の限界、経営力の限界
・三代目に入っている中で純資産も大きくなっており、相続時の税負担が大きくなっている
・取締役会、プロ経営者の導入の方向性

・経営を継承する際、先代は75歳を過ぎていることが多い。すると後継者は事業承継したタイミングで時代に合った経営革新を行う必要が出てくるケースが多い。そのような環境適応ができる、経営者として向いている後継者が内部に存在するか?という観点で事業承継を考える必要がある。必要ならプロ経営者を雇い入れ、一族はオーナーとなる、「所有と経営の分離」を行うことも一案である。

 

2.株式会社キャピタル・アセット・プランニング 北山様

「事業承継・資産承継の支援とフィンテック

・当社のミッションは、以下の通り

 「個人資産の最適なアセットアロケーションと次世代への不安無き移転を実現する

 即ち「ファイナンシャルウェルネス」を実現するためのプラットフォームを創造する」

・「ファイナンシャルウェルネス」の中で見落とされがちな相続税の準備も含まれる。日本では諸外国と比較して相続税の負担が大きい。そこで、保有資産に対して「未払い相続税」という債務を考慮しておく必要がある。

相続税対策として、暦年贈与など、贈与をタイミングよく長期で行うことで、税金の総額を小さくなるよう計画・実行することが大事

相続税が多額になる主要な理由

(1)企業オーナーは自社株評価を知らない、自社株評価予想をしていない
(2)「自社株を承継した長男と、少額の資産を引継ぐ長女は争わない」と考えている
(3)対策を実行することが遅すぎる
(4)後継者の決定時期が遅すぎる

 

3.株式会社経営承継支援 笹川様

「中小企業の業界再編とM&Aの戦略」

・非上場の中小企業におけるM&Aは、友好的な買収である

(売り手側が売却したいという意思決定をしないと成立しないため)

 

4.パネルディスカッション

中小企業診断士として、事業承継支援の現場経験をいかに積むべきか」

・人脈作りが大事。様々な場面に顔を出すこと

・最初は経験作りが大事。たとえ安い報酬でも受けること

・リピートに繋がる仕事をすること。クライアントや担当者の評価を獲得すること

 

大変勉強になることばかりの4時間となりました。コロナ禍の中、貴重なセミナーを開催いただき感謝です。