令和3年度事業承継支援者研修「事業承継計画作成支援の“勘どころ”」を聴講しました

中小機構主催の表題のセミナーがオンラインで開催されました。事業承継は興味を持っているテーマの一つなので聴講しました。特に印象に残ったのは以下の通りです。

 

■支援者として必要なスキル

・コミュニケーションスキル

ヒアリング、訊く力

・強み、課題をあぶりだす力

・戦略、将来の方向性を示す力

 

■強みをあぶりだすために必要なこと

・理念と強みが連携していること

 ※理念の浸透方法の助言も◎。理念がない場合は当社の特長から作成するのも一案。

 ※理念のキーワードを一つずつ実践することで浸透していく。

 

・当社の概要から強みを抽出

 「この機械を導入することで社長の仕事の代替はできますか?」

 「こだわりの仕入れ先は?」などの質問など。

 

・沿革のヒアリングから当社の強みを把握

 沿革のヒアリングは社長との信頼関係構築に繋がる重要な時間。

 

・受賞歴、許認可なども強み。

 後継者に整理して伝えておく必要がある。

 

■その他

・外部環境

 当社が変えることはできない。社長は大体把握している。SDGs、IT化、デジタル化などのマクロ的な外部環境は支援者として伝える必要はある。

 

・事業承継計画書は、成果物自体よりも、作成のプロセスに価値がある。

・事業承継をきっかけに企業の成長に取り組む。

 ・帝国データバンクによると、中小企業の7割が債務超過。事業承継問題が潜在化されている企業に対して診断を行うことで、顕在化させる。次のステップで計画書を作成している。

 

■深堀質問

・事業環境に対し、どのような経営判断をしたのか?

・なぜこのような決断をしたのか?

・そこにはどのような想いがあったのか?

※単なる成功体験の振り返りではない。

 本当に引き継ぐべき強みが見えてくる。

 

(例)

・積極営業は行わないが、依頼は断らない。結果、技術力が上がった。

・あえて国内農家に仕入先を絞っている。農家に製造方法を指導している。

 

■課題の整理

・定款変更、組織体制の整理、経営者の仕事の見える化(ネットワーク、ノウハウ、株の所在など)

・後継者として、新規顧客開拓、財務理解(金融機関との交渉に必要)、ジョブローテーションなど

 

■経営者交代までに取り組むべき項目

・いつ、だれに、なにを、どのように

・課題・解決策

 

事業承継は重要な経営課題の一つです。しっかりと基本を身に着け、適切な支援を行なっていきたいと思います。