事業承継実務研究会に参加しました

今回は、事業承継センターの先生から、事業承継に関する実務経験に即したお話を伺いました。

 

今回特に印象に残ったことは、事業承継のタイミングで考えなくてはならないことは、社長業の引継ぎだけでなく、会計を担う方の業務(主に社長の奥様が担っていることが多い)の引継ぎも重要である、といったお話です。

 

事業承継は、単にこれまでのビジネスを継続するだけでなく、承継のタイミングで、ビジネス上必要なことは、新しく刷新することも必要です。例えば、これまで紙帳簿で記録していた会計業務を、承継のタイミングで、新しい方(一般に承継後はより若い方が承継する)が生産性の高いやり方に改善することも必要ということです。

 

例えば、会計ソフトを入れることも一案です。紙で記録していたり、会計担当者だけの頭の中にある情報を、会社としての資産にして、他の人でも対応できるようにしたり、必要な時にぱっと情報を引き出すことができるように整備しておくことは、会社としての生産性向上の観点で必要です。

 

一般に、事業承継は社長の年齢が20歳以上若返ると良いと言われています。事業承継は20年から30年に一度の大きな転換であり、あまり若返ることができなければ、会社として新しい取り組みを行うことは難しいことが予想されるためです。例えば、現社長が高齢で、新社長も高齢の場合、新社長の就任期間中に取り組める内容には健康上、限りがあるため、新しいことに取り組むのではなく、これまでの延長上の取り組みに留まってしまう可能性が高いと予想されます。

 

昨今、中小企業の診断に入ると、事業承継はほぼ重要な診断のポイントの一つになっていると感じます。適切なご支援ができるよう、しっかり知識・経験を備えておきたいと思います。