実践!スキルアップ講座「アニメ制作業界の最新動向調査の解説」を受講しました

東京都中小企業診断士協会 城西支部主催のセミナーに参加しました。城西地区は豊島区・杉並区など、手塚治虫先生が滞在されていた「ときわ荘」があることやサブカルチャーで盛り上げりを見せていることから、アニメ産業に関するセミナーが開催されたとのことです。

 

セミナーの中で、手塚先生のときわ荘があったことから、アニメ制作会社が多く周辺に拠点を構えているという点もあるとのことでした。個人的に中野の商店街のご支援をさせていただいていることから、アニメ業界に関する動向や今後の展望に関する情報は興味がありました。

 

アニメ業界は、制作委員会制度という特性上、アニメーション制作会社が儲かりにくい残業構造になっていることから、賃金待遇が低く、人材確保・人材育成が厳しいとのことでした。離職率が高いため、良きクリエーターが育ちにくい点も問題ですが、海外の方が待遇が良いため、人材流出が一部進んでいることや、海外におけるアニメの人材が充実しつつあることから、アニメの質自体も上がり、日本を超えることもある可能性は否定できないといったご見解もありました。

 

この観点は大変興味深かったです。やはり事業は人だということなのでしょう。人材を大切にし、賃金を含めた待遇を整備し、働きやすくモチベーション高く働ける環境を整備することが企業として、日本として必須なのだと思います。安定した賃金制度の整備と、しっかり休暇を取得して休む時間を確保できる制度の整備、勤務時間内に制作できる仕事量の調整など、現実的に各制作会社が実施できるような商習慣に国が主体的に対応することが大事と思います。日本のアニメは、海外における人気が高く、誇れる技術の一つだと思っています。今後も一層産業自体が成長していけるよう、中小企業診断士としても何らかの形で貢献できると嬉しいと思いました。

 

具体的には、良いアニメーター=良い経営者とは限らないというお話がありました。B/SやP/L、キャッシュフロー計算書の知識がなく、翌月の現金のみを気にするため、前受金獲得のために新規受注する、という経営者も存在するとのこと。良い経営者として人材育成・人材確保へのご対応をいただけるよう、ご縁があればご支援できればというモチベーションを得たセミナーとなりました。企画・実施いただいたことに感謝です。